タランティーノ作品のポイント、テーマ【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド公開】

最新作「ワンスアポンアタイムハリウッド」公開もあり、私なりにタランティーノ作品について語ろうと思う。

 

私も多くの映画ファンと同じようにタランティーノ監督の作品が大好きである。

 

「デスプルーフ」は生涯ベスト級だし、

 

他の作品もどれも思入れの強い作品だらけだ。

 

しかし、人から面白い映画を紹介して欲しいなどと

 

言われた際、タランティーノ作品をおすすめすることはほとんどない。

 

その理由は彼の作品はかなり癖が強く

 

作品をみるにあたって

 

ある程度タランティーノ作品を楽しむための土壌が必要であると

 

考えているからである。

 

おそらく今回の「ワンスアポンアタイムインハリウッド」も

 

デカプリオやブラッドピットが出ているから

 

という理由で観に来てなんかよくわからないと

 

思ってしまう観客も多くいるのでは

 

ないかと思う。

 

なので今回はタランティーノ作品を理解するための楽しみ方を

 

彼が扱うテーマとともに紹介していきたいと思う。

 

 

 そもそもタランティーノ作品は

 

安易なジャンルわけができない作品が多い。

 

「レザボアドッグス」「ヘイトフルエイト」などはミステリーとしての

 

側面もあるが、ミステリーとしてみると肩透かしを食らうし、

 

キルビル、ジャンゴなどもストレートなアクションではない。

 

 

そしてタランティーノの最大の特徴かつ魅力それでいて、

 

だめな人には全く受け付けない 長い会話がタランティーノ作品の特徴である。

 

これをどうとるかでタランティーノの評価が変わる所であると思う。

 

ストーリーに関係のないことをとにかく長く話す場面が非常に多い。

 

タランティーノ作品に馴染みのないかたはだらだら長い、退屈と思ってしまうかもしれない。

 

しかし、その会話の中でその人物の人間性や現在の状況などが

 

見えてくるというのが面白いところである。

 

つまる所タランティーノ作品の一番のポイントは会話劇である。

 

その中で一番のポイントだと私が考えるのは、

 

「ハッタリ力」「演技力」である。

 

不良たちの意地の張り合いような、度胸試し、  いかに自分がビビってる、嘘を付いている、弱いと相手に思わせないかが作品の鍵となっていることが多い。

 

会話を制する者が物語の主導権を握っていくのである。

 

イングロリアス・バスターズのランダ大佐は巧みな話術で相手を翻弄し、

 

嘘がつけない状況に追い込んでいく。

 

ジャッキーブラウンのラスト 最後に言い残すことはないかと

 

言われた際に返す言葉など、

 

会話自体がスリリングで魅力的であるということを

 

踏まえてタランティーノ作品を鑑賞してもらいたい。

 

他にもタランティーノ作品といえば過去作のオマージュがものすごく多いこと

 

などあるが、これは多くの人が語っているのでそれを参照して欲しい。

 

ちなみに最新作「ワンスアポンアタイムインハリウッド」

 

を見る前は必ずシャロンテート事件の概要ぐらいは

 

調べて鑑賞して欲しい。 

 

 あとは映画という虚構への賛歌

 

復讐ものというテーマがあったりする